空気人形という映画を見てたんです。文字通り、空気を吹き込んで使うラブドールのことで、それがある日意思を持って持ち主のいない間に外の世界を動き回るっていう話で。あらすじだけ見たら、ブレードランナーとかエクス・マキナとか、そういうSF方面の話なのかと思ってた
だが実際見てみると全然違ってて、ブレランとかエクス・マキナは意思を得た人工知能を持つアンドロイドに主題が置かれてるんですけど、空気人形は逆だった。確かに、映画の中ではずっと外を動き回ったりするラブドールを映してるけども。けど、実際はその周りを取り囲む人間たちの話でもあって、むしろ主題はそっちだったと言うか
空気の詰まった人形と、人間とでは、一体何が違うのか、意思を持ったラブドール自身には理解できないまま映画は終わるんですけど、見た人間にも同じような問題が突然降り掛かってくる。
実際、降り掛かってきた。見終わった後の感想としては、少しの憂鬱が三分の一と、疑問が三分の二を占めている
「自分の中には何が詰まっているのか?」みたいなやつ。空気の詰まった人形と何が違う? 人形の素材たる外側以外に何が違う? 心を得た人形と、心を持っているかどうかも判然としていない人間とでは、一体全体何が違う?
劇中の人形と同じように、人間だって本当は空気だけの空っぽな存在じゃないのかって
劇中に過食症の女性が出てくるんですよね、スーパーで手当たり次第に食品をカゴいっぱいに詰め込んで、家では食べかけの食べ物に囲まれながら床に座って宅配ピザを食べ、実家から幾度となく送られてくる林檎が腐った状態でそこら中にあるゴミ屋敷の中で、食べては吐いてを繰り返してる。何が彼女をそうさせたのかは明示されないけど、とにかくそういう人物が出てくる。空気の代わりに食べ物で中身を満たそうとしてる
それ以外にもある意味で「空っぽ」な人間が幾人も出てくるけど、映画の中で一番印象に残ったのがその過食症の女性だったって、それだけの話なんですけどね
昨日の夕方、スーパーで安売りシールが貼られたパンの山を見て、そのパンをカゴに何個も入れながら、そんなことを思い出しては考えてました。少しだけ重なりました。カゴがパンで満たされることはなかったけど
とうとう仕事を辞めてきました。スッキリした気分になりました。今まで休職していた身だったんですが、とうとうその期間にも限界が来たとのことで。転職活動が始まりますね
シャイニングとアフタースクールを見ていました。ボヘミアン・ラプソディも観に行きました。100円レンタルされていたインターステラーを見る予定にしています