(_ _).。o○(日記?)

Twitter(slsweep0775)ではとても書きづらいと思ったことを書いて、さらにそこから流れる思考に任せて自由に書くブログです

海外ドラマ「アップロード」の話

※タイトルの話題はページ半分辺りから始まります。

 

 

 

 語ることが多すぎる。

 事故死して転生、VRNMORPGからログアウトできないバグの発生、電子の海に閉じ込められたその先で、主人公たちはどう過ごすのか?

 

 そんなweb小説によくあるVRMMO、異世界転生、二度目の人生、そんな感じのファンタジーとかSFとかって増えてるかもしれない

 でも、その前にちょっとだけ、人為的なユートピアパークの例をいくつか紹介しておきたい。ウエストワールドとドラえもんのび太と銀河超特急だ。

 世界そのものが虚構だと気付いたコンパニオンのアンドロイドが、ウエストワールドという欺瞞の場所をぶっ壊さんとしたり、残虐にコンパニオンを壊して楽しむ客たちに一矢報いたりしながら世界の外側を目指そうとするのがウエストワールド。

 映画ドラえもんの「のび太と銀河超特急」ドリーマーズランドは、宇宙にあるテーマパーク。いくつかの惑星に分かれており、惑星ごとにコンセプトがある。キャラクターと時代を選んでロールプレイをこなしていくことで敵を倒す姫を救う忍者となりて巻物を盗むなど何にでもなれる。驚異のスーパーロールプレイ。そしてパークにバグが発生し、アンドロイドも狂ってしまい、客を襲ってやってくる。実際は宇宙生物の仕業だけど。

 前者が血しぶき飛び散る過激な世界に対し、後者は宇宙のウエストワールドと言っても過言では無い。ある程度のゴア表現は取っ払われて絶対安心安全神話が保証されている。まぁ年齢層が違うからなのが理由だろうし、どっちにせよ宇宙生物によってメチャクチャになる。

 下手な比較でもしてみるか。

 ロールプレイのためにAIキャラは撃たれ食われ直される。ウエストワールドのコンパニオンは、繰り返されるロールプレイに違和感を覚え、ワールドの欺瞞に気づき、パークを変容させていく。

 宇宙侵略のためにAIコンパニオンに寄生しバグを起こし事故を起こす。そういった流れで人が襲われまたしてもランドはメチャクチャになる。

 宇宙生物が寄生して故意にバグらせ恐竜たちは不具合を起こしたのに対し、アンドロイドたちは自意識を武器に自ら反逆を起こす。とりあえずドラえもんは窮地を抜けて、宇宙寄生生物を退ける。

 ウエストワールドの崩壊と、ジュラシックパークの崩壊を同時に引き起こすレベルの脅威。下手すれば外側からさらに外側に向かって脅威が膨らんでいるイメージはないと言えば嘘になる。

 

 何書いてるのか分かんなくなってきたのでこの話放り投げたくなってきた。

 関係ない話になってるので一旦切る。

 

 意識を完全にデータ化してデータとして残す。そしてデータとしてこれからを生きるということが、どういうことかというと、人はみんなUSBメモリに収束するというごく単純な話になる。USBメモリを化粧感覚で、あるいはゲームを選ぶ感覚で、はたまたポーカーの掛け金代わりとしてでもいいだろう。中には衣装データに化粧データ、金のデータ、個人情報の分厚いデータ。それだけでレディのバッグは満タンになり、高級な買い物を楽しむことができるようになるのだ。どうせ小さなチップにとって変わられるが。

 リュックベンソンの「ルーシー」にてラストのシーン、スカーレットヨハンソンは概念となり、この世の全てを記録した一つのUSBメモリへと変貌し、その生を全うした。

 ウエストワールドの話に戻ると、そんな感じでこの世の全てとして見せられていたものは電脳世界の欺瞞だったこと。ドリーマーズランドはそもそも虚構を全面的に出しているから……とはいえ、視点の違いは考えてみる。ランドで楽しむドラえもん一行は顧客側であり、ウエストワールドのアンドロイドはコンパニオン側だ。一行もドラえもん以外は完全に人間であり、ドローレスはドラえもんと同じロボットの類。ここだけ整理しておこう。ドラえもんは確かにロボットだが、パークを大いに楽しんでいる。ロボットもロボットを楽しんでいた。

 

 また脱線したので話を変える。ハッキリ言って前段の話がこれから出てくるかと思えない。なんだか無駄なことを書いた気分だ。

 

 コンピューターを人が手にした時、全能感は半端ないものだったはずだ。これでなんでもできるなんでもつくれるこれで有名人になれる。実際そうなった。さらにインターネットという存在が追い討ちをかけて、人間の生活を上から覆いかぶさっていった。コンピュータ、スマートフォン、そしてインターネット。これらがなければ人は金を払うことすらままならない。

 データという存在は実に儚いもので記憶しても消えることがある。外側の劣化、内側の劣化どっちも要因だ。人間にしても、外側内側どちらにしてもガタが来る。あちこちが錆びつき思うように動かず、動かそうとすればぶっ壊れてしまう。にもかかわらず自分自身のメンテナンスに金がかかり、そうしなければ死んでしまう。頭の中では死を嫌う以上絶対に必要になる工程である。劣化は止められないが、遅めることはできる。それだけなのだ。

 そうして2033年

 死にかけの人間の頭をそのまま取り出して脳の状態を全て把握し仮想のデータを作り、さらにそうしてできたアバターを、電脳世界に解き放つ。これがアップロードだ。あの世のデジタル。自分の魂はデジタルデータとなって記憶媒体となってしまったのである。体はそのまま残りデータの体で葬式に出席する。自分の葬式にデータとして。

 どれだけ良く生きようとも、どれだけ誠実に生きようとも、天国と地獄の存在しない電脳世界の死後の世界というのは思ったよりも不便な世界だった。最大の誤算と言える。

 

 2033年の死生観は大幅に変わってしまった。人は人のまま死ぬという現代ならばそれほどおかしくない死に方だろうけれど、十数年未満経てばすぐに古い考え方になってしまう。何故かって? アップロードがあるから。

 アップロードさえすれば、今までの経験体験思考志向嗜好すべてが電子化されてアバターとなり、ある程度の整ったそのままの容姿を持って、より良いグレードの待遇を受けることになるのだ。仕事はなく、ただ寛いで、余暇を過ごす。終わりなき余生の始まり。記憶を見ることもできるし、現実世界の人間と話もできる。データという同じレイヤーにいるからデータで作られた家具や商品にも触れるしベッドで眠れるシャワーも浴びれる。朝食はハニーベーコンドーナツ他豪華な食事。時間厳守で過ぎれば全部消滅する。データだし。バグ技を使えば食べ物は出てくるけど。空腹を不要なものだと思う人間にアップロードはお勧めできないだろうな。地獄だ。

 

 現世では3Dプリンタが有名シェフの食べ物を作り、脂身のカートンが切れかけならパサパサになる。逆に骨付きチキンに骨が入っていることに驚いたりする。卵みたいな自動運転車がロサンゼルスを走り、Facebookは買収された。

 アップロードがあるから死に対しての価値観が全然違っている。瀕死の事故にあってもアップロードすれば大丈夫。だってそうすればまた会える。人肌を感じるための全身スーツとヘッドマウントディスプレイさえあれば温もりも感じ取れるハグだってできるキスだってなんだって。だから悲しみはまったくといっていいほどない。瀕死の状態でアップロードをするなら、規約事項に同意をしなければならない。してないのにアップロードをするのであれば、瀕死の状態で意識を失う前に契約書の小さな文字を読み同意を迫られる。第一の地獄。

 アップロードおめでとう! これからの人生は無限大だ。そう思うだろ? 思いたいよな? 全身にスーツを着込むことでデジタル世界のアップロードされた人間と触れ合うことができるとか夢みたいだと思うだろ? 誠に言いにくいのだが課金要素がある。課金しなければまともに物も食えない、コーヒーも飲めない。そんな地獄。

 AIスタッフはみんな同じ顔で、呼び出しが重なると分裂する。子供用にゲーム対戦相手にもなり、システムアップデート如何によっては優秀なコンシェルジュにも成ってくれる。サービスに関しては申し分ない。擬人化された飴売りのポップアップ広告を君が鬱陶しく思わないならパーフェクトだろう。

 アップロードの時に必要になるアバターは本人となる。生前の様々な写真から実際の顔を作るわけだが、子供のまま死んだのであればアップロードされた人間は子供の体のまま数年間過ごす。モノクロ写真なら全身が白黒になり、カラーの物を手にしても白黒になる。

 子供のアップロードは、成長済みの新たなアバターをアップロードされない限り成長はできない。バグまみれの違法パッチを使えば解決するかもしれないが、副作用としてどうなることやら。外の様子を知ることこそできるが知れば知るほど地獄となる。通話先に映る世界は現実世界で、死んだ時よりもはるかに年数が進んでいる。アバターが更新されない限り、誰も彼もが自分の歳を追い越していく。地獄。

 今回主人公がアップロードされた「レイクビュー」は湖畔の高級ホテルなわけだが、湖のループ処理は甘い。同じ波が何度も何度もGIF動画みたいに永遠に。

 そして何万層ものレイクビューの中で何万ものアップロード者が動いているから、湖に飛び込もうとするとラグが起きる。

 写真から作られるアバターの作りが甘いと不便なことに寝癖を治せない。寝癖も含めたキャラメイクなので現実世界で修正が入らない限り寝癖を絶対に治せない。地獄

 そんなレイクビューの最も哀れな場所は最下層の貧民施設、通称「2ギガ」。そこでは使用できる容量が月2Gのためそう呼ばれているわけだが、動けばデータが減り、本を読んでも考え込んでもデータ量が減る。データ量を使い切ると通信制限なんて甘やさしいものはなくフリーズして来月まで持ち越しとなる。死後の世界で積み上げられた格差社会。地獄も地獄。

 科学は幻想を超えられない。

 ……やっぱり訂正する。科学は幻想を超えられる。人次第では、幻想が科学を超えることもあるかもしれない。たぶん。おそらく。もしかすると。ひょっとすれば。

 でも、ハッキリわかる。どれだけ発展したとしてもこれだけは変わらない。

 科学は資本主義を超えられない。

 

 現実世界で専用スーツを着てHMDを被って、側から見れば滑稽な風貌で、そうしてやっと電子との触れ合いは可能になる。通話が繋がりさえすればどこででも話ができる。どこにでも連れ出せる。一方的に通話を切ることもできる。触れられない以外、割と自由度は高い。

 ただ、データはカバンにすっぽり入るサイズだし、ハードディスクみたいなケースに話しかけたくもなるだろうが、繋がってはいないので何もわからないし返答もない。ただの電子部品を大事に抱えてイマジナリーフレンドとなった電子機器とあれこれランデブーするのが関の山。脆いカバーバッグをすればいざ知らず、生身で持ち運べばどうなることやら。落としても水に濡れても、彼はそこで消えてしまい完全に元に戻らなくなるのだ。死は突然訪れる。またしても地獄。

 

 そして現代社会ではそんなアップロードしたくてもできない貧民層に向けて、アップロードする権利をすべての人間に開放せよというデモまで行われる始末。

 しかし主人公の父親はというと、アップロードに反対しており、先に死んでしまった自分の妻に会いたいといつも考えている。アップロードをせずそのまま人間として死ぬという考えが完全に古い価値観として扱われている。主人公もアップロードで会えるのにどうしてそこまで過去に縋るのかと説得するも、父親はアップロードを拒否する。正解かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 舞台としてはそんな感じです。あらすじはあんまり書いてません。

 ネット小説などでよくゲームの中に入り込んで展開するものがありますけど、VRMMO小説とか。

 あれを、データ、通信などの面から細部まで作り込んでいて、実際こういうバグってあるよねみたいな所謂「あるあるネタ」をギャグとして適度に挟む、そんな感じです。バグもグリッチもある、所謂チートコードを売り捌くダークウェブ的存在もある。余計に細かいところはリアルに作られ、そのくせ森の葉っぱには企業名のロゴが書かれている。客の要望が他の客にとって不便な点になるという面も描かれている。ポップアップ広告は平面で見るよりもより鬱陶しく目の前に浮かんで、機械のレジ係は融通が効かない。スーパーの棚に並べば即座にスキャンされて野菜を摂れと言われる。世話焼きAIがお節介すぎるくらいがちょうどいいのか知らないが、機械が柔軟な対応をできればどうにかなるのだろうかなんて思ったりはする。

 まぁ話を戻す。よく言えばリアリティがすごい。コスチュームを変更するのに課金、データとして動けるようにするために課金、課金課金課金の生活、それが新しい死後の世界。そんな様子を描いていました。

 

 とても面白かった。ここまで、ストーリーについてそこまで触れた感じはないのでこういう要素の中で、更にドラマが起こるので見てほしい。VRMMO小説とかそういうの考えてるなら、シチュエーションこそ違えど参考にはなるかもしれません。

 

 シーズン1、Amazonプライム独占配信中です。今月始まったっぽい。そのせいなのか、タイトルの検索しにくさが関わってるのか、感想の検索が非常にし辛い。これがちょっと小さな地獄。

 

 シーズン2が楽しみです。